2014ハンドメイドバイシクルフェア 2/2

2014年01月30日 08:00

このイベントでは特別企画としてビルダーさんによるトークショーと座談会が行なわれました。ちょうど行こうと思っていた時間帯がケルビムの今野さんによるトークショーが開催しており、聞くことができました。先週はSpecializedでカーボンフレームの開発に付いてのトークショーを聞いたばかりで、大量生産のカーボンフレームと比べて聞くことができて面白かったですよ。

handmadetark.jpg

ケルビムのスタートは・・・
今野真一さんの父が創業者の今野 仁さん。近所のレースに出る為に、近所の裕福な方から「レースには出ません」と約束して自転車を借り、結局はバラしてレースに出られる仕様にしたところからはじまったそうです。仁さんは6人兄弟。土地柄(※)もあって自転車競技に他の兄弟も興味を持ち始め協力しながら自転車フレーム作りをはじめた。兄弟それぞれがケルビム、3RENSHO、MIYUKIと工房を開き日本の自転車フレームの歴史を作った。
今野製作所は1965年にスタート。(会社組織にしたのはもう少し後)最初に作ったフレームはスタジオでしっかりと撮影した写真が残っており、メーカーなろうといった決意が伺える。(その後、どんどんフレームの写真な適当になっていた)

※甲州街道はオリンピックのロードコース。今度のオリンピックでもコースに含まれるので、それまでに走ってみるのもいいとおっしゃっておりました。

CHERUBIM 1968 MEXICO OLYMPIC


真一さんは工場が遊び場だった。(工場の写真を見ながら)奥に積んでるのがオーダーを受けたフレームでたくさんの注文があった。その頃、SpecializedやTREKの人も工場に来たことがある。

オーダーフレームの存在意義
理想は用途と体型にあった自転車
サッカースパイクでマラソン大会に出る人はいないだろうし、ブカブカのシューズでスポーツをする人もいないと思うが、自転車ではそのような事がよくある。

オーダーする事は理想への近道
もちろん大量生産のフレームでもピッタリなフレームに出会える事はあるが、実際は様々な問題で簡単ではない。例えば自転車ショップは在庫を売る為に、ちょっと合わない自転車でも商売の為に売る事があるかもしれない。しかし、オーダーフレームの場合はユーザーに合わせて作るのでそんな事は起こりえない。

・自転車に詳しいビルダーがいる
・パーツ組み付けや手配も行ないそれを考えて製作できる
・乗り手に合わせて設計できる

スチールフレームのメリット、真実
steelcarbon.jpg

・スチールフレームにもいろいろあるが、TIG溶接で作るフレームは大量生産しやすい(熱歪みがない)が、肉厚のパイプしか使えないので重くなる。ロウ付けは薄い軽量のフレームが使える。
・カーボンフレームは値段が高く、鉄は安い。これは技術の成熟度であり、その物の価値ではない。
・カーボンは基本的に硬いものしかできない。最近はしなりを唱っているフレームもあるが、鉄の乗り味を目指している・雑誌などが鉄はやわらかく、カーボンは硬いイメージを作ったが、鉄はいくらでも調整が可能。硬くする事も軽くする事も簡単。(実用性は別)
ケルビムのレーサーは8kg程度で作られている。(カンパの軽量コンポ)
・硬いカーボンをホイールで調整するのは間違い。
・硬いフレームは高ケイデンスの選手しか上手く乗れない。メルクスやインデューラインのような高トルクの選手はいなくなった。それは重いギヤで踏むにはしなやかなフレームがいるから。
・商売を考えればカーボンを売る方が簡単。
・もっと鉄も高く売りたい。
・素材から吟味してその人にあったフレームを製作する贅沢。このような商売がなくなることは本当の先進国としては残念な事だと思う。

ショーバイクについて

CHERUBIM ROAD STAR

・通常オーダー外の夜中に作る。
・スケッチから始める。クルマなどからインスピレーション。
・リチャード・バックミンスター・フラー(思想家)のクルマの影響を受けた。


Photo by Penn State Special Collections

・道具としての機能を持たせたまま、スケッチアイデアを生かすには、構造を知らないとダメ。ここが腕の見せ所だろう。
・ショーモデルは技術的に難しい所から作る。最終的にそこがクリアできなくてそれまでの作業が無駄にならないように。
ケルビム製のJIGがある。

colorimage.jpg

・フレームが出来てから色を再検討。色は奥さんの意見が通る(笑)
・アメリカのショーにも毎年出ているが、ショーに出して、感じてくれる人の意見をいろいろ聞けることができて有意義。


Photo by shinya suzaki

僕たちの夢
想像を超える自転車を!

Q&A
パイプの特性について
・各ブランドのフラッグシップがいいとは限らない。どこにどのパイプを使うかが重要。
・肉厚はもちろん、バテッドの位置や焼き入れの有無などでまるで違う。
・ヨーロッパはバテッドの位置違いだけでも10種類ほどある。ダウンチューブ、シートステーが重要。

初心者ですがどのようにオーダーすればいいか?
ある程度乗っている人であれば、今乗っている自転車を見せてもらうのが一番。初心者の方はまだフォーム等も固まっていないだろうからそのままお店に来て欲しい。用途を聞いて、例えば10キロの通勤しか乗らないとしても、それ以上乗りたくなるような、想像を越えた自転車を製作する。



まだいくつか質問があったのですが、会場でもらったチラシ裏にメモしたのでここまでしかありませんでした・・・スイマセン。ざっとメモしたものでニュアンスが伝わればと思います。時間が限られたなかで体系的な話をするので、カーボンフレームについてあるアングルからみた極端な話になっていたのですが、そこは行間を読んで下さい。一般論としての大量生産カーボンフレームのトレンドについて話されていたと思っています。トークの中でもAMANDAの千葉さんのカーボン技術とのコラボで新しいプロジェクトに取りかかっていると言っていましたよ。
古い技術だけど、なくならないのには理由があるって事がわかりました。完成重量が8kgならMY CARBON BIKEより軽いですからね・・・。毎年、毎年新しいモデルが出ていつのまにか型遅れになってしまうカーボンバイクに愛想が尽きた人もいるでしょう。私もSpecialized TARMAC S-WORKS SL-4に試乗して、こんな硬いの乗れないし、いらないと感じた事あります。同時に気持がいいと感じたカーボンバイクもありますけどね。とにかく、選択の幅があるって事は私達にとって嬉しい事です。

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