映画「疾風スプリンター」

2017年01月16日 20:00

特に観に行く予定ではなかったのですが、いつも聴いているTBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」の人気コーナー「ムービーウォッチメン」で選ばれた事、そこでエキップ浅田の山崎さんのメールが読まれた事を知ります。確か試写会の評判もそれほど悪くなかったし、自転車好きとして自転車題材の映画にお金を落とすのも悪い事ではないと映画館へ。

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公式サイトより

自転車レースが題材となると、自転車好きはアラ捜しに走ってしまい、どうしても乗れなくなるってのがあると思います。その点ではやはり弱虫ペダルスタイルのチーム対抗ロードレース大会は残念だったし他にも突っ込みどころは多数あります。不思議な戦術が何度も繰り返されて応援上映であればきっとヤジが飛ぶ事でしょう。ただし、ロケーションは良いし、シーン毎の迫力はあるし、役者さんもがんばって演じていました。韓国競輪のシーンなんか初めて見たので驚きもあったしね。この部分はもう文句なんてありません。

ただ、人間ドラマの描写がものすごーく長くて退屈なんですよ。80年代のラブコメ的でそれが繰り返されるので退屈極まりない。展開は現代の映画らしく早いんだけどね。「え、まだこのシークエンスでその緊張感のないラブコメ演出やるの?」って。頭がクラクラして近年稀に見るダメ映画でしたね。

コメディ要素は夢を追いかける若者たちが壁にぶつかり挫折を味わう手前までで終わらせて、そのあとは「もうあの頃の無邪気さには戻れない・・・」みたいな展開が定石だと思うのですが、最後の方でも「えっ!?」って演出があるもんだから乗れないったらありゃしない。あの「心から叫びたい」ってシーンですよ。見た人はわかりますよね?
そして、とにかく気持ちが悪かったのが終盤の展開で訪れる自己犠牲となんの葛藤もなく受け入れるその感じ。安易な決断にしか見えないんだよな。描き方によっては美談になるとは思いますが、そうだとしても生理的に受け付けないかな。

ストーリー最後の着地は「そんな壁を乗り越えた彼らもここに並んでいる全ての競技者にそれぞれのドラマがあり、その中のひとりにすぎない・・・」みたいな客観的な描写とかは大好きだし、あれだけの自転車競技シーンを並べられるのに、このドラマシーンの呑気さで全てが台無しになっているんじゃないかと。

スポンサーが突然打ち切りをしてチームが存続できなくなるとか、きっとEQAの方なら他人事じゃない感覚になる展開も、御曹司の主人公の1人の背景を生かして伏線回収していくのかと思ったら全く違う出資者を工面したり、ラストの勝負も伏線的には韓国でマディソンやった展開が生かされるのかと思いきやそうでもない・・・自転車ロードレースの展開としてはそれはないけど、この作品のリアリティラインだったらマディソン展開入れたほうがわかりやすかったんじゃないかな・・・とか。弱虫ペダルだったら異様に肩組んだり腰を押したりするじゃないですか。あそこまでやってくれれば「この漫画の中の現実」として楽しめるもの。
要はリアリティのラインやシリアスでどこまでがコメディでってのも含めてすごく曖昧な感じなんですよ。もうそうなるとこいつらの悩みなや事件なんてどうでもよくなっちゃう。どうでなんとかなるんでしょ?って。

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スポンサーはメリダなのでランプレ・メリダチーム(特にルイ・コスタ)もフィーチャーされます

まぁ、少ない観客の中でも「結構良かったね!」って声も聞こえてきましたし、宇多丸さんの批評も良いところをちゃんと紹介していたし、その他割と高評価もあったので私の方が少数派なのかもしれませんけど。それらを読み聞きしても個人的には全くダメな映画って評価は変わりません。ただ自分が自転車ロードレースの事を全く知らなければあの迫力のあるロードレースシーンだけで大切な一本になる可能性もあったかも。そういった意味では大画面で見る価値はありますよ。公開規模はあまり大きくないのですが機会があったら是非映画館へ!

Jr







これらの名作も見ていなければ是非!

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PELOTON MAGAZINE

2016年10月31日 12:25

我がダッツンが表紙を飾ったPELOTON MAGAZINEを受け取りにAbove Bike Storeへ。

Hi @bokanev . #pelotonmagazine #datsun #datsunbluebird #cx #cyclocross #garage

カルさんさん(@h_cal)が投稿した写真 -



グランデューロに参戦するためにポートランドを訪れていた須崎さんが取引先でもあるThe ATHELETICで見つけてくれました。日本からネットで注文できるのかもしれませんが、こんなステキな入手までのストーリーを体験できて幸せです。須崎さんありがとう。

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The ATHELETICが発見の場だったんだし、やっぱりソックスは買っておかないとね。足が小さいのでソックスのサイズ感にはうるさいのですが、このソックスはSMサイズはピッタリでした。(私の足は大きい方で実測244mm)

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翌朝さっそく履いてランニング。シューズと驚く程のマッチングを魅せていますw

お店で話し込んでいるうちにいろいろ欲しかったもの見つけて財布の紐が緩んでしまい・・・このお店危険過ぎます(笑)

PELOTPN MAGAZINE 59 「Preview Issue 59 of Peloton: ‘Cross」

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シクロクロスの写真集

2016年10月03日 20:00

シクロクロス会場に通う方なら誰もが知っている「春日部写真店」より昨シーズンのシクロクロスシーンを切り取った写真集がリリースされました。購入はコチラから

Cyclocross Photo-zine "Strings" season '15-'16
シクロクロス写真集

その情報を知ってすぐに注文。手元に届きました。これからのシーズンに向けてモチベーションになる充実のないように大満足です。

WE LOVE CX

限定オマケのステッカーはありがたくMy CX Bikeに貼りました。

スターライト幕張 C3
Photo by 春日部写真店

前にこのブログで書いた記事「写真で繋ぐバトン」でも書きましたが、自分が心底楽しんでいるスポーツが沢山の人に認知され価値を上げる事でどんな事が起きるのか。弊害もきっとあるでしょう。でもそれを乗り越えていかないと発展もなく現状維持はきっとそのスポーツの死を意味すると思います。そう言った意味でもこの写真集の持つ役割は大きいのではないでしょうか。このようなカタチにしていくのは大変な作業だと思います。それに込めた想いを自分なりに受け止めていこうと思いました。

Utsunomiya CX
Photo by Emill(この日、中の人は織田さん?)

自分がこのシーンにどのように貢献できるのか。それは数多くのレースにエントリーする事。それ以外にも何かできないか?ある人はレース運営の手伝いを。ある人は地元で新しいレースイベントを開催。ある人は日々のCX練習をサポートする。そしてコース脇で声援を送るのだってそうでしょう。
さて、自分は?下手なりに記念撮影の域を到底出る事のないスナップ写真を撮影してアップする事だったり、どんなイベントやトピックをブログに書き残す事がそれに繋がっていけば。更にこんな遅いおじさんでもレースを自分なりに楽しんでいるんだな・・・とハードルを下げることができればいいのかな。そんな小さな行動が大きなうねりになる事を願って。

まぁ、難しい事を書いてしまった気もしますが、昨年のシーズンを振り返ることができる最高の1册です。Cyclocross Photo-zine "Strings" season '15-'16購入はコチラからどうぞ。

春日部写真店 Facebookページ

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ドキュメンタリーと観察

2016年02月25日 08:00

NHK BSで1月に伊豆大島で行われたアジア自転車競技選手権大会の女子ロードのドキュメンタリー番組が放送されました。このレースに関してはファンの間で様々な所で散々議論がなされましたが、結局JCFからは何も総括や回答もなくやりきれない気分になっている方も多いのではないでしょうか?そこでNHK制作のドキュメンタリー番組で何か真実が伝えられて納得ができるんじゃないかと期待した方も多かった事でしょう。しかし、その期待に応える番組ではなかったと個人的には思います。

ここでレースに関して個人の考えを独断的に書くのもblogの面白さだとは思いますが、今回はある当事者に近い部分もあって一般には出てこない話なんかも聞いていて客観性に欠けた意見になると思うので書いていませんでした...が、ラジオで映画監督の想田 和弘さんの面白い話を聞いたのでちょっと書いてみたいと思います。

観察映画とTVドキュメンタリーの違い
相田監督の経歴は、ニューヨーク在住で映画「選挙」で一躍脚光を浴びた新進気鋭の映画監督。この「選挙」は世界中の映画賞で評価を受け、200カ国近くでテレビ放映されたそうです。元々はNHKのドキュメンタリー作品も手がけており40本から50本製作をしたと言っておられました。

いわゆるドキュメンタリー映画作家と分類されると思いますが、相田さんは自身の映画を観察映画と言っています。相田さんはラジオ番組内で「テレビで放送されるドキュメンタリー番組は90%以上台本がある。観察映画は台本のないドキュメンタリーの本質である。」とおっしゃっていました。

テレビの放送時間に合わせるために、どこでどのように撮影をして、取材をして・・・と台本に合わせて撮影をして行くそうです。もちろんこの台本は何か真実をねじ曲げるためでもなく、事前の取材からこうだろうと仮定して綿密に打ち合わせを重ねて書き上げるもの。予測して取りこぼしのないように素材を効率よく集めるためですね。

テレビドキュメンタリー:
あらかじめ台本が存在しており、そのとおりの映像を撮っていく

観察映画:
撮影前に台本を作らず、目の前の現実を撮影と編集を通じてつぶさに観察し、その過程で得られた発見に基づいて映画を作る

番組タイトル変更
それではNHKで放送された「女子ロード リオへのアタック~アジア自転車選手権~」はどうだったのでしょうか。先に書いた話からこれは観察映画のようなドキュメンタリーの本質ではなく、いわゆる台本があるドキュメンタリー番組だったんでしょう。当初、この番組サブタイトルはエースに託すリオへの切符でした。それがリオへのアタックに変更されました。最初のタイトルから分かる通りチームが結束してエースをサポートしてリオ五輪の出場権を獲得できるのか!?って台本が書かれていた事でしょう。それに合わせて撮影をして行ったけど、編集の段階に入り、制作側も何かを感じてリオへのアタックに番組を変更した・・・これはドキュメンタリー台本ではじまった制作がある意味観察映画のように編集の過程で得られた発見に基づいて変更したのかもしれません。

台本のあるドキュメンタリー番組はこんな番組を流したい・・・そんな製作者側の意図が少なからず介在します。

番組はレースの展開を観ながらその時の状況を選手にインタビューしながら進みます。その選手インタビューは與那嶺選手のみありませんでした。なぜそうなったのかはわかりませんが、不穏な空気を漂わせるには十分でした。チームが機能しなかった事を暗に伝えているようにも感じられます。撮影できない何か事情があったのでしょう。しかし、そこで深読みされたくないのであればテロップを流すとか電話インタビューを少しだけでも加えるとかしないとバランスがとれませんよね。意図的かどうかは別にしてフェアではないなぁと感じました。

C​h​o​i​s​e​ ​i​s​ ​y​o​u​r​s​
なんとなく背景を知っているからこの番組の歪さを感じつつ内容は理解できましたが、あまり詳しくない視聴者はこの番組を観てどう思ったんだろう・・・と自転車レースの伝え方の難しさを痛感しました。逆に言えばそれがこのスポーツの面白さであり奥深さでもあると思うんですけど・・・このようなボタンのかけ違いひとつで批判が生まれ、それが人格否定までに繋がるような意見を見聞きするとやりきれない気持になるんですよね・・・ですから、ドキュメンタリー番組は台本があるものだと知って、テレビでやってたからそれが全てだとは思わないで欲しいんですよね。

そこにはアングルが必ずあるんです。この説明自体も言葉足らずで伝えきれている自信はありませんが、とにかく様々な情報を得て、選択し、考えるのはあなたなんです。自分専用のモノサシで。

Mayuko Hagiwara
2015全日本ロード女子

Eri Yonamine
2015全日本ロード女子

Hiromi Kaneko
2015全日本ロード女子

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シクロクロス東京 2016



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ハングリー精神論

2016年01月22日 08:00

NHKで放送していたGREAT RACE「大草原を疾走せよ~モンゴル900km~」観ましたか?

かつて騎馬民族が疾走したモンゴルの大草原。昼夜の寒暖差は30度に達し、強風が吹きつける大地で世界でも最も過酷とされる自転車レースが行われた。総延長は900キロを7日間で走り抜ける。世界トップクラスの選手が参加し最高時速は80キロに達する。優勝を狙う日本人ライダー、亡くなった教え子への思いを胸にゴールを目指すアマチュアライダー、プロを夢見て上位入賞を狙うモンゴルの若者たち、それぞれの戦いを追う。


番組では日本人ライダー池田祐樹選手(TOPEAK ERGON RACING TEAM)を軸に地元モンゴル人ライダーの奮闘を伝えていました。

モンゴル人ライダーはエースにマラル選手、それを脅かす存在に慣れるか!?って感じでボロル選手が紹介されます。昔ながら遊牧民族らしくゲルに暮すボロル選手は自転車で一旗揚げて家族に良い暮らしをさせてあげたいと願っています。

この過酷なマラソンレースにはレース後メカニックサービスを有料で受けられるのですがモンゴル人ライダーは自分で洗車から整備をしています。「僕らには有料メンテナンスサービスは高すぎる」と。レース中にパンクを何度も繰り返すのですがそれは彼らが資金的な問題でTLタイヤを使えずにWOで戦っているから。パンク修理に付いてもインフレーターではなくハンドポンプ・・・不幸にもそのポンプさえも壊れるアクシデントが・・・。

恵まれた環境で参加する欧州、日本人勢とハングリー精神溢れたモンゴル人勢の図式ですね。わかりやすい。

落車してレースを失うまでは総合で4位に付けていたマラル選手、何度もパンクしてタイムを失ったボロル選手は池田選手に最後に20秒差くらいで負けて5位となります。

ハングリー精神
この時、脳裏をよぎったのが「今の日本人にはハングリー精神がない」論。最近は聞かなくなりましたが、ちょっと前まではテレビに映る過去に何かを成し遂げたコメンテーターがそう言って若き有望株の敗北を一蹴していた気がします。

機材スポーツの自転車ではいくらハングリー精神があっても超越できない壁みたいなモノがあるんだとグレートレースで感じました。これがモータースポーツではもっと顕著でしょう。

ハングリー精神論って改めて老害のひとつだったんだと思いました。

もちろんトップを目指す上でハングリー精神は必須でしょう。勝利への渇望が最後の最後で背中を押す事もあるはず。でもそれは何かそこまでの土台があってこそ。しっかりとした育成環境がその国、チームの選手を育てていくはずです。新城選手みたいにその育成を超越したアスリートが生まれる事もありますが、それはまた別の話。わざわざ私が改めて書く事もないくらいに当たり前になっているから最近は聞かなくなったんでしょうけどね。そうじゃなくてはメキシコや東南アジアの競合を次々と倒す日本人ボクシングチャンピオンの事も説明できません。

勝負にタラレバは禁句ですが、モンゴル人ライダーが池田選手と同じ環境でレースに参加していたらどうなったか?その環境を自ら選択して整えるのもアスリートに求められる資質。だからタラレバなのですが成績は逆転したかもしれません。モンゴル人ライダーはその特異な環境(トレーニングは常に高地でありフィールドは無限)で力を蓄えてステップアップして行くのでしょう。

【追伸】
伊豆大島で開幕したアジア自転車競技選手権の初日グレートレースで惜しくもリタイアとなったマラル選手がU23個人タイムトライアルで優勝したようです。(シクロチャンネル記事参照)

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シクロワイヤードより

ハングリー精神と機材が揃えばこうなるって事か。おめでとう!

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